数字(金)より大事なこと

深谷太陽農園では、

農家として独立できる力を身につけて欲しい、という想いから、

作業の段取りや人員配置等、私からの指示ではなく、

みなで考えて決めてもらうようにする機会を多く作っています。

栽培管理については、まだまだ私が指示することが多いですが、

特に冬場の深谷ねぎの出荷作業については、皆に任せていることが多く、

出荷をしなければいけない得意先、数量を明記したうえで、

畑から収穫→調整作業(皮むき)→出荷という一連の段取りを

10人いる従業員のうち、だれが、いつ、なんの作業をしていくか、

は皆で決めてもらっています。

 

そんな中、先日、A得意先にだすべき深谷ねぎ(商品)を

間違ってB得意先に出荷をする、ということをしてしまいました。

幸いにも加工用のねぎの出荷先に、A品を出荷してしまう、

ということで、得意先には迷惑はかからなかったのですが、、

そのことをきっかけに、

実質、深谷太陽農園のリーダー格である2名(Y君とYさん)が喧嘩をしてしまいました。

事実だけをみるとY君が間違えたことで起きたミスなのですが、

Y君(男)としては、出荷のリーダーであるYさん(女)の指示が悪かった、

という言い分があり、

けれど、一方、Yさんとしては、指示が悪かったなんて言われるのは心外だ

という状況であります。 

そこで、そんな状況をみて、人事部長の田中が、急遽、朝の時間を使って、皆で話し合いをしました。

  

深谷太陽農園で最も大事にしていることの一つが、

「言いたいことをしっかりと言う」

ということです。

今回、起きた喧嘩も、その時だけのお互いのぶつかりではなく、

今まで、いろんな不満がお互いに溜まっていて、

けれど、それを言えずに溜めてきてしまったため、

一気に爆発してしまったという状態でありました。

 

なので、今回の話し合いで行ったことは、

まずは、不満を含めて、お互い、今思っていることをぶちまけてもらいました。

お互い、いろいろな不満がでてきました。

そして、その不満をぶちまけたうえで、お互い完璧な人間なんていないんだから、

その不満=欠点をお互いが認めて、みんなで直していこう、

相手に対して、思いやりをもっていこう、

と話し合いました。

  

私も、いろいろ考えました。 

 

今回のことが起きる前からも、Y君とYさんがちょくちょくぶつかっていたのは知っていました。

また、Y君、Yさんに加えて、Kさんもその二人とちょくちょくぶつかっていたのを知っていました。

最初は、未熟な3人だな~

もっとコミュニケーションしないと、

もっと思いやりをもって相手に接しないと、

と私も思っていて、いつか説教をしてやろう、と思っていたのですが、、、 

 

なんか違うな。。

悪いのは、私だな。。

ということに気づきました。

3人がなぜ、喧嘩をするのか、

なぜ、その3人なのか、と考えた時に、

今10人いる従業員のうち、最も「責任感」を持って仕事をしているのが

その3人でした。

正直、10人みんなが一生懸命仕事をするのは間違いないですが、

他の7人は、数字に対してはほとんど責任感をもっておらず、

その3人が数字に対して本当に責任感をもってやってくれていました。

 

そんな3人に、私は仕事を任せ、責任を持たせたうえで、

必ず出荷しなければいけない=数字

を一番の責務として、要求をしておりました。

 

そりゃ喧嘩するよね、、と。。

みな、障がいを抱えていますので、能力的には未熟な人間です。

失敗するなんて当たり前です。

みな、必死に頑張るけど、

必ず失敗するんです。高い要求もしているので。

そんな集団に数字を一番の目標、責務にしてしまったら、

失敗をした時、自分の能力が追い付ない時には、

責任のなすりつけあい。

数字がいけば喧嘩しないが、

数字がいかなければ喧嘩をする、

というその場限りの集団になってしまいます。

 

それは違うな~、と大反省です。

 

深谷太陽農園では、農場長の私と人事部長の田中と2人で、

数字を追わずに、人の成長を追う、

そしたら、数字はあとからついてくる。

という信念を掲げて、ずっと取り組んでいました。

結果、5年で売り上げは、0からのスタートで年商2億円までになりました。

離職率は0%を更新中です。

数字ではなく、人を大事にした結果、

人も数字もついてきたことが少しづつ証明できてきたのに、

従業員には数字を求めてしまいました。

  

それに気が付いた私は、みんなに、

「数字を達成するよりも大事なことがある。」

「みなで仲良く仕事をしよう」と伝えました。

 

みんなが一生懸命仕事をしてくれることはもう充分わかってました。

だから、なんて表現をしたらいいか、悩んだんですが、

人の成長を大事に、とか、お互いを尊重し合って、とかの表現よりも、

「仲良く」の方が伝わりやすいかな、と思って、

あえてなんか陳腐な表現にしました。

 

そんなことを私がみなに言うと、

田中も、Y君にこんなこと言いました。

「まぁ、今まで言ってきたことを覆すことになるけど、、、」と言い、

そして、「Yさん、ちょっと耳を塞いで」と言い、

 

「男は女に文句を言っちゃダメ」と(笑)

おそらくいつの世も、どんな家庭でも、

男はたとえ外で偉そうにしても、家庭では、かかあ天下のほうが、

家族円満にいくもの。

深谷太陽農園では、ビジネス書に書かれているような正論とか経営理論とかマネジメント論とか

そんなことよりも、

なんか感覚的に、本当はみんなが「いいな」と思っていることを

信念をもって、やり抜いていきたいと思っています。

まだまだ深谷太陽農園は進化できそうです。

 

私と田中にそんなことを気づかせてくれた責任感ある3人には感謝であります。

余談ですが、こんな組織運営の仲間がもっと増えたらいいな~

と思っていて、

深谷太陽農園のような組織運営を目指すことをサポートする

「太陽のコンパス」という

組織の立ち上げを構築しております。

こうご期待。

深谷太陽農園 農場長 岩井

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