過去は変えられる

過去を変えることってできると思いますか?

過去は変えることができない、というのが一般的であると思います。

けれど、私は「過去は変えられる」と思っています。

先日、精神障害の人が、

「なんだかわからないんですが、怖いんです。」

「何かに襲われそうで、怖いんです。」

と相談をしてきました。

精神障害を抱える人にありがちなことであるようです。

いわゆる「不安障害」というものです。

ただ、この人は、現状は、精神障害の症状はものすごく緩和されており、

週5日働けている状態であり、(過去10年間ほどの治療期間はありました)

現実として、「いま」何かに怖がる原因はない、状態でした。

仕事もでき、プライベートでも安定している。

誰かに説教されているわけでもない。説教されるようなこともしていない。

では、何に怖がっているのか。

質問をしてみると、

彼は「過去」に怖がっていました。

症状が重かった時のことや、

発症をする直前(15年以上前のこと)の辛かったこと、

がプレイバックしてきて、「怖い」という感情になってしまっておりました。

実際に、普段の顔つきとは違くて、

引き攣ったような表情をしており、かなり苦しい様子でした。

そこで、私は彼にこう伝えました。

「その辛い過去って変えられると思う?」

「実は変えることができるんだよ」と。

その過去を、辛い、怖いと思って、「怖い過去」にするのか、

あー、あんなこともあったけど、今は乗り越えて、頑張れてるな~

と「(いい意味で)笑える過去」にするか、

はたまた、あの過去があったから、自分と同じように苦しんでいる人を助けることができる、

という「役に立つ過去」にするか、

過去をどういうものにするかは、

「今」の自分次第なんだと。

現実、今は何も怖がる必要がないレベルで働けているので、

何も怖がる必要はない、と。

一般的に、不安障害の治療となると、

薬物療法か、過去を忘れさせるように誘導するカウンセリングが多いと思います。

症状の段階によっては、薬物が必要なこともあると思います。

過去に触れさせないで、忘れさせるカウンセリングが必要なこともあります。

ただ、これらは、根本原因の解決には至らないことがほとんどです。

根本原因を解決していくには、

怖い、辛い原因となっていることに、正面から向き合っていかない限り

解決をすることはできません。

今回でいえば、「過去」と向き合っていかなければ、根本原因の解決にはなりません。

私は、彼が、いまは根本原因と向き合う気力がある、と判断をし、

「過去はいまの自分次第で変えることができる」と伝えました。

結果、私のその想いは彼に通じ、

なるほど、、、過去は変えられるのか、、、と自分でも納得し、

そして、表情はみるみる回復していきました。

1時間後には、いつもの精神状態に戻ることができておりました。

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