2019年 年末 挑戦①

振り返ってみます。

今年じゃなくて、、去年(2019年)の年末は大きなチャレンジをしました。

ありがたいことに年々、お客様から多くの注文をもらえるようになってきて、さらに年末なので、お客様の注文も増え、また、年始にお休みをとるために、年末はいつもの倍以上の仕事をしなければいけない状況でありました。

改めてですが、当園は現在、9人で運営しているのですが、農場長の私と右腕の田中の2名と、残り7人は全員がハンディ(障がい)を抱えた従業員であります。

そんな中、、23日(月)から30日までの長ネギ1000ケースの出荷を、私と田中抜きで、7人だけ行う、という大きなチャレンジに挑みました。

もちろんお客様があることなので、最終的には私も手伝うつもりでいました。しかし、年末くらい思いっきり働いて(年始には休みがあるので)「働く喜び」を感じて欲しい! 難しい壁を乗り越える喜びを感じて欲しい! そして超えた先に成長した自分、お客様に感謝をされる自分がいる喜びを感じて欲しい!と思い、挑戦をしました。

そして、そのことをみんなに伝えると、チャレンジをしたい、と言ってくれたので、私もつい手伝いたくなるのをグッとこらえることを決意し、チャレンジを開始しました。計算上、土日を休むとすると、6日間あるので、1日150ケースの出荷になります。普段の1.5倍~2倍ほどの量になります。

【23日:挑戦1日目】

やらせてみるものですね。とにかく一心不乱に皆が作業に集中、取組み、終業の17時ギリギリに目標の150ケースを達成しました! いや~、100ケースくらいはいくだろうと予想していたのですが、見事なものです。私も田中もびっくり。よくやってくれたものです。

【24日:挑戦2日目】

さぁ! 昨日と同じことをやるだけだ! がんばれ!と始まった2日目。まぁ大丈夫だろうと安心をして私は別の仕事などを行うことにしました。そして終業時間の17時になり、今日の数量を聞くと、、

120ケース。。。 あれ。。。。昨日より30ケースも少ない、、、どうしたの、、、

と聞くと、、、

なんと2台ある出荷作業に必要な機械(ベストロボというネギ専用の機械)のうち、1台が調子が悪く、頻繁に止まってしまう、、とのことです。すぐ農機具屋にはきてもらったようですが、部品がなく、明日の昼過ぎにならないと治らないそうです。。、、、こういったことってあるものですね。。大事な時のトラブル。。ただ日頃のメンテナンスを怠っていたのが、一番の原因です。彼らには少しかわいそうな気もしましたが、お客様には関係のないことで、これも乗り越えなければいけない壁です。 がんばれ!! 幸いにも翌日以降の出荷だったので、この日は残業はせずに、明日以降に足りない30ケースを行うようにし(これも私が判断せずに、彼らで決めてもらいました)、本日は疲れも残さないよう、18時には帰宅をしました。

【25日:挑戦3日目】

さぁ3日目です。機械の故障は昼過ぎには直る予定なので、気を取り直して、がんばるだけです! 1日目はしっかりと目標通りできたので、少し心配はありますが、大丈夫だろう。

ただ、少し心配であったので、私はちょくちょく様子をみていました。。すると、、、

あれ、なんで田島さんがゴミ捨てしてるんだ、なんでネギを剥く仕事でなくて、置く仕事をしているんだ?

田島さんは7人の中でも一番仕事のスピードが速く、トラクターでも管理機でも、トラックの運転でも、私や田中と同じレベルで仕事ができる、うちのエース社員であります。

ネギを商品として出荷するためには、畑から収穫してきたあと、「根っこと葉っぱを切って」、「皮をむいて」、「選別」をしてという作業が必要になります。この作業が非常に手間であり、長ねぎ生産の70%以上の時間はこの「出荷調整作業」になります。そして、これを効率的に行うことができる機械「ベストロボ」というものがあるのですが、これは1人がねぎを機械にセットして、根っこを葉っぱを切る、もう一人が皮をむく、という2人ペアで行う機械であります。この機械において、スピードの鍵を握るのは、皮をむく作業の人です。この人のスピード次第で、1日の出荷量が決まってきます。ちなみに、私がやると1時間で15~18ケース、これはおそらくベテラン農家でも同じくらいだと思います。そして、うちの従業員の子たちは、遅い人で5ケース、普通の子で8~10ケースであります。しかし、エース田島は私とほぼ同じの15ケース前後のスピードで剥けるのです。なので、今回のチャレンジにおいて、田島さんが剥き手を担うことは必然であり(普段はチームの底上げのために、交代で全員にやってもらっています)、チームの成否を握っているのは、田島さんであることは誰が見てもわかることでした。事実、1日目の150ケースのうち、田島さんペアで100ケース以上を剥いているのです。

私はなんで田島さんが剥き手をやっていないのか、出荷リーダーの山田さんに聞いたら、

なんか疲れてしまったようで、、、、と、、、

そうです。。これはただ疲れたから楽な仕事をしている、サボっているのではなく、田島さんは精神に障害を抱えており、様々な原因で以前の職場では仕事ができなくなり、10年以上社会復帰ができなかった過去があります。田島さんについて書き始めるととんでもない量になるので、ざっくりというと、

多忙による肉体的、精神的ストレスにより、ハンディ(障がい)が発症、仕事をするのが困難な状況な状況になったのです。

さあ、やばいぞ。。田島さんに代わって、五十嵐君、山田さん、栗原さんでやっておりますが、、、機械の1台が昼までは故障していたこともあり(昼には無事直りました)、、、なんと、今日の出荷数はわずか60ケース。。。。

大丈夫か!!???

書き始めたら、あまりに長くなってしまったので、いったん休憩。次回は4日目以降を書いていきます。

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